最大パワー原理 (Max Power Principle)
生態学者Howard T. Odumらによって提唱された自然法則の一つであり、システムは利用可能なエネルギーを最大限の効率と速度で変換・使用するように進化するという原理である。 この原理によれば、自然のシステム(例:生態系、生命体、社会経済システムなど)は、単にエネルギー効率(変換率)を最大化するのではなく、出力パワー(=単位時間あたりのエネルギー変換量)を最大化するように構造やプロセスを最適化する。これは、効率と速度のバランスをとった点に最大パワーが存在することを意味し、過剰な効率追求はかえってパワーの低下を招く可能性があるとする。
この考え方は、生態系のエネルギー循環、進化論的適応、さらには再生可能エネルギーの設計や社会工学にまで応用されており、エネルギーの流れとシステムの存続能力との関係を理解するための基本原理の一つとされる。